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ボルネオ環境保全プロジェクト

サラヤは、1952年の創業時から人、そして環境を考え、天然素材をもちいた商品づくりをコンセプトに、様々な商品の開発・販売をおこなってきました。

中でも1971年誕生の「ヤシノミ洗剤」は、石油系洗剤による水質汚染が社会問題となる中、環境にやさしい植物原料を使用した植物洗剤の先駆けとして開発された、サラヤの主力ブランド商品です。

しかし現在、世界の食糧需要の増加などにより、植物原料のひとつであるパーム油の生産は、プランテーション拡大による熱帯雨林減少など、現地マレーシアを中心に、あらゆる環境・社会問題を引き起こしています。もはや、「パーム油=環境にやさしい・人にやさしい」と単なる一面だけで語る段階ではないのが現実です。
サラヤでは、そういった問題に目を向け、出来ることから少しずつでも取り組んでいこう、と各種団体と協力し、ボルネオ環境保全活動をはじめています。

1. 緑の回廊プロジェクト

川辺は野生生物にとって生存の鍵となる大切な場所。

ところがアブラヤシプランテーション(農園)の拡大によって、大切な生息域が失われています。そこで、熱帯雨林だった土地を買い戻し、分断された緑(保護地)をつなぐことで「緑の回廊」を回復させる計画を、BCT(ボルネオ保全トラスト)を通じて行っています。
野生動物には、生息に最低限必要とされる川沿岸の森と、分断された熱帯雨林を結ぶ移動路が必要です。

BCTは、サバ州キナバタンガン川沿岸の土地を買い戻して森に再生し、熱帯雨林を一つに結ぶ緑の回廊計画を推進。BCTが土地所有権を取得し、それを支援した団体に土地命名権を与えることも実施しています。「サラヤの森」も13カ所まで広がっています。





獲得年月 土地名 面積
2009年5月 サラヤの森1号地 2.14ha
2010年1月 サラヤの森2号地 3.96ha
2010年3月 サラヤの森3号地 1.80ha
2011年6月 サラヤの森4号地 2.04ha
2012年10月 サラヤの森5号地 1.84ha
2017年4月 サラヤの森6号地 4.20ha
2018年3月 サラヤの森7号地 5.99ha
2019年7月 サラヤの森8号地 2.76ha
2020年10月 サラヤの森9号地 4.49ha
2022年10月 サラヤの森10号地 4.09ha
2023年5月 サラヤの森11号地 1.40ha
2023年5月 サラヤの森12号地 1.40ha
2025年8月 サラヤの森13号地 2.67ha

2. 命の吊り橋プロジェクト

失われた土地を買い戻している最中にも、森は小さく分断され、大切な食糧や繁殖の機会が失われることによって、ボルネオの固有種であるオランウータンが絶滅の危機に瀕しています。

そこで、急遽対処法として始まったのが「命の吊り橋プロジェクト」。
泳げないオランウータンのために、森と森の間に橋を作ることで命をつなげる試みです。

サラヤの現地調査員を交えて、サラヤ本社のある大阪・東住吉区の消防署から提供された廃棄消防ホースにより作られました。
当社の資金協力によって、サラヤ現地調査員をはじめBCTスタッフ、及び多摩動物公園、市川動植物園、東山動物園、ズーラシア、千葉市動物公園の協力も得て、第1号と第2号の「消防ホース・命の架け橋(吊り橋)」が完成しました。
※設計の専門家、ボランティアが、吊り橋の新規デザイン、構造計算、架橋実験などを経て完成。



設置場所 :メナンゴール川(キナバタンガン川支流)
設置時期 :2008年4月


設置場所:ルサン川(キナバタンガン川支流)
設置時期:2009年4月


設置場所:タカラ川(キナバタンガン川支流)
設置時期:2010年10月


設置場所:タカラ川(キナバタンガン川支流)
設置時期:2011年5月


設置場所:ピン川(キナバタンガン川支流)
設置時期:2012年5月


設置場所:ピン川(キナバタンガン川支流)
設置時期:2013年9月


3. 野生動物の救出プロジェクト


アブラヤシプランテーション(農園)の拡大により、生息地を追われ傷ついた野生のボルネオゾウやオランウータンを救出して森へ返す試みを行っています。

2005年1月にサバ州野生生物局(SWD)へ救出移動用の車を寄付したことから始まり、サラヤ現地調査員を送りこみ、探索から捕獲、治療までを行い、現在も救出活動を継続しています。
救出活動の内容は、罠が絡まり足や鼻を締めつけられ痛みに苦しむゾウを捕らえ縄を取り除くなどの処置を行ったり、分断された森に隔離された餓死寸前のオランウータンの母子を捕獲して保護林に放つなどの活動を行っています。

しかしながら、2010年の冬から保護した象を移動させる森が見つからない状態に陥り、象専用の保護施設の必要性が求められてきました。
そこで、BCTをはじめサバ州野生生物局(SWD)と旭川市旭山動物園坂東園長を中心に、野生動物のケガの治療、一時的な保護などの救出作業を行う"レスキューセンター設立プロジェクト"を立ち上げました。



4. フードコリドープロジェクト


キナバタンガン川流域の熱帯雨林は、ボルネオゾウをはじめとする多くの野生生物が暮らしています。

しかし近年、アブラヤシ農園の拡大やインフラ整備により森林が分断され、ゾウの移動経路が失われつつあります。その結果、ゾウが人の生活圏に入り込み、農作物被害などの人と野生動物の軋轢が大きな課題となってきました。
こうした状況を改善するために進められているのが、フードコリドープロジェクトです。ゾウが好むネピアグラスなどの植物を川沿いに計画的に植えることで、移動ルートと食料確保をおこないます。

これにより、ゾウは農園地帯に近づかなくても自然の中で採食できるようになり、安心して移動することが可能になります。この仕組みは、ゾウにとっての生息環境を守るだけでなく、地域住民との衝突や農作物被害を減らすことで人間とゾウの共生につながっています。
サラヤはこのプロジェクトにボルネオ保全トラストジャパン(BCTJ)を通じ、支援をおこなっています。サラヤのボルネオ調査員も頻繁に足を運び、植栽に参加し、現地のNGOと良好な関係を構築しながら、プロジェクトを進めています。




5. パーム油を持続可能に使用していくために


・RSPO加盟・認証制度の普及

世界自然保護基金(WWF)を含む関係団体が中心となり、2004年に設立された国際NPOです。世界的に信頼される認証基準の策定と、ステークホルダー(利害関係者)の参加を通じ、持続可能なパーム油の生産と利用を促進することを目的としています。
組織は、パーム油産業をめぐる7つのセクターの関係者(パーム油生産業、搾油・貿易業、消費者製品製造業、小売業、銀行・投資会社、環境NGO、社会・開発系NGO)の協力のもと運営されています。

【サラヤのRSPOに対する取り組み】
世界の食用需要の増加などにより、植物原料のひとつであるパーム油の生産が拡大を続けています。
熱帯雨林を伐採してプランテーションを拡大するなど、主要生産国のひとつであるマレーシア・ボルネオ島を中心に、さまざまな環境・社会問題を引き起こしています。
しかしながら、パーム油産業で生計を立てている生産者も多いことも事実です。またパーム油は、世界中のおよそ85%が食用として利用されており、私たち消費者も、パーム油を完全に避けて生活することは難しい状況といえます。

創業当初より、人と環境を考えて植物原料を用いた製品づくりに努めてきたサラヤは、パーム油の使用をやめることが問題の解決にはならないと考えました。
そこでパーム油とかかわり、野生生物や森を守りながら生産者や消費者の生活も維持していくため、2004年から「ボルネオ環境保全プロジェクト」を開始し、環境保全と原料調達の両面からこの問題に向き合い始めました。「RSPO加盟・認証制度の普及」も、環境への影響に配慮した持続可能なパーム油を生産するための活動の1つとなっています。


RSPO認証について 詳しくはこちら

・小規模農家との取り組み(SPIRAL)

ワイルドアジアのSPIRALプロジェクトを支援
ワイルドアジアは、2003年に設立されたソーシャルエンタープライズで、マレーシアを本拠とし、熱帯雨林の保全や小規模農家のRSPO認証を推進する支援活動として、Wild Asia Group Scheme(WAGS)を進めています。サラヤは、2017年より、WAGSを通じて、小規模農家からRSPO認証のパーム油とパーム核油のクレジットを購入し、活動を支援しています。


パーム農園の約半数は、小規模農家からなっており、小規模農家にとって持続可能な仕組みになっている必要があります。


ワイルドアジアは、小規模農家のRSPO認証取得だけでは不十分で、従来の農法は高価な化学肥料に依存しており、農園の生物多様性も損ねていると指摘しています。そこで、新たな農法による農家の生産性向上、農地の生物多様性向上、気候に配慮した農業を支援するSPIRAL(Small Producer Inclusivity & Resilience Alliance)プログラムを2020年より開始しており、サラヤは現地(マレーシア・サバ州)を視察し、この趣旨に賛同して2022年12月より支援を始め、プログラムの進捗状況を定期的に視察しています。

多くのアブラヤシの葉は使い道がなく、切り取った後は土壌に放置し、微生物により分解されている状況です。微生物による分解でも、温室効果ガスが発生します。このプログラムでは、未活用の葉を炭化させて、バイオ炭として有機肥料と混ぜてから土壌に施用することで、炭素の固定や土壌改善に取り組んでいます。バイオ炭は、土壌への有効な炭素貯留方法として、日本を含め世界的に注目度が高まっています。

プログラム開始から1年前後で、混ぜ込んだ土壌が黄土色から黒色化し、ミミズも増加するなど、土壌が改善しています。
2025年5月には、本プログラムで生産された原材料のサプライチェーンを繋いで自社製品へ活用されました。生産者や環境にとってもメリットの大きいロールモデルであるため、こうした取り組みを発信することで支援企業の輪を広げ、アブラヤシ産業の持続可能性の向上に貢献していきたいと考えています。






6. 対象商品


対象商品の売上(※)の1%がボルネオ保全トラストに使われます。
(※)メーカー出荷額

パーム油関連ブランドである「ヤシノミシリーズ」をはじめ、「ハッピーエレファント」、「ココパーム」の各製品の売上げの1%が、ボルネオ保全トラスト(BCT)を通じてボルネオ島の環境保全に使われます。


ー ボルネオ保全トラストとは? ー

「ボルネオ保全トラスト=Borneo Conservation Trust」は、マレーシア・サバ州から認められたトラストで、失われた熱帯雨林だった土地を買い戻し、野生生物が行き来できる「緑の回廊」を回復させる計画などを行っています。

認定NPO法人ボルネオ保全トラスト・ジャパン

7. 活動ヒストリー

生物多様性への保全活動ヒストリー

2004年

  • 環境問題を扱うTV番組のインタビューを受けボルネオの現状を知り、現地調査員を現地に派遣

2005年

  • マレーシア・サバ州野生生物局のボルネオゾウの保護活動を支援。救出移動用車を寄贈し、捕獲から治療までを確認。

2006年

  • ボルネオゾウの子ども1頭救出。
  • サラヤの支援金で、マレーシア・サバ州にBCT(ボルネオ保全トラスト)事務局が設立。
  • 更家悠介社長がキナバタン川流域を視察

2007年

  • ボルネオゾウの子ども1頭救出。
  • オランウータン母子救出。
  • BCT(ボルネオ保全トラスト)事務局の日本窓口が、NPO法人ゼリ・ジャパンからNPO法人BCTジャパンとして独立法人化。
  • ヤシノミ®洗剤出荷額1%でBCT支援がスタート。
  • ボルネオ調査隊ツアー開始。

2008年

  • 緑の回廊1号地「小さな森」(2.1ha)を購入。
  • 消防ホース・命の架け橋第1号完成。

2009年

  • 第3回ビジネスと生物多様性チャレンジ会議(ジャカルタ)、オランウータン保全会議(コタキナバル)で更家悠介社長が「緑の回廊」保全の必要性を発表。
  • 緑の回廊サラヤの森1号地(2.2ha)を購入。
  • 消防ホース・命の架け橋第2号完成

2010年

  • 愛知COP10サイドイベントで活動を発表。
  • 緑の回廊サラヤの森2号地(4.0ha)を購入。
  • 緑の回廊サラヤの森3号地(2.0ha)を購入。
  • 消防ホース・命の架け橋第3号完成。
  • 野生のオランウータンが1号橋を渡ったことを確認。
  • ボルネオ保全自動販売機の設置を開始。

2011年

  • ヤシノミ洗剤の売上の一部を東日本大震災支援に。
  • 緑の回廊サラヤの森4号地(2.1ha)を購入。
  • 消防ホース・命の架け橋第4号完成。

2012年

  • インドCOP11サイドイベントで活動を発表。
  • 支援商品「ココパーム」新発売。
  • 支援商品「ハッピーエレファント」新発売。
  • 緑の回廊サラヤの森5号地(1.9ha)を購入
  • 消防ホース・命の架け橋第5号完成

2013年

  • 消防ホース・命の架け橋第6号完成。
  • ボルネオ エレファント サンクチュアリ(BES)第1期工事竣工。

2014年

  • ボルネオ エレファント サンクチュアリ(BES)第1期追加工事竣工。

2015年

  • BCTと共にキナバタンガン川沿いで植林を実施。

2016年

  • 更家悠介社長がメキシコ「カンクン・ビジネスと生物多様性誓約調印式」にて署名。
  • メキシコCOP13サイドイベントで活動を発表。
  • 中・大型哺乳類の生物相を調査する2年間の生態系プロジェクトを開始。

2017年

  • 緑の回廊サラヤの森6号地(4.25ha)を購入。
  • BESにあるゾウのパドックに砂浴び場が完成。

2018年

  • 緑の回廊サラヤの森7号地(5.99ha)を購入。
  • 更家悠介社長がエジプトCOP14サイドイベントで活動を発表。

2019年

  • 緑の回廊サラヤの森8号地(2.76ha)を購入。
  • 長年のボルネオ環境保全への取り組みが評価され、「2019 RSPO Excellence Awards」名誉表彰を受賞。

2020年

  • 緑の回廊サラヤの森9号地(4.49ha)を購入。

持続可能なパーム油への取り組み(RSPO)


2004年

  • RSPO加盟を申請

2005年

  • RSPOに入会
  • RT3、GA2(第2回持続可能なパームオイルのための円卓会議)で緑の回廊プロジェクトの提案。議案は撤回。

2006年

  • RT4、GA3(第3回持続可能なパームオイルのための円卓会議)に出席。

2007年

  • RT5、GA4(第4回持続可能なパームオイルのための円卓会議)に出席。
  • 第1回持続可能なパーム油のための企業フォーラム協賛。

2008年

  • RT6、GA5(第5回持続可能なパームオイルのための円卓会議)に出席。
  • ドイツ・ボンで開催の国連生物多様性条約第9回締約国会議(CBD COP9)で、ビジネスと生物多様性イニシアティブリーダーシップ宣言に署名。

2009年

  • RT7、GA6(第6回持続可能なパームオイルのための円卓会議)に出席。
  • 地球・人間環境フォーラムの第2回持続可能なパーム油のためのシンポジウム共催。

2010年

  • RT8、GA7(第7回持続可能なパームオイルのための円卓会議)に出席。
  • 日本で最初のRSPO認証商品として「ヤシノミ®洗濯パウダーネオ」を発売。

2011年

  • RT9、GA8(第8回持続可能なパームオイルのための円卓会議)に出席。
  • 地球・人間環境フォーラムの第3回持続可能なパーム油のためのシンポジウム特別協力。

2012年

  • RT10、GA9(第9回持続可能なパームオイルのための円卓会議)に出席。

2013年

  • RT11、GA10(第10回持続可能なパームオイルのための円卓会議)に出席。
  • RSPO認証審査、グリーンパーム認証審査とも認証継続。

2014年

  • RT12、GA11(第11回持続可能なパームオイルのための円卓会議)に出席。
  • NPO法人ボルネオ保全トラストジャパンの国際シンポジウムを後援。

2015年

  • RT13、GA12(第12回持続可能なパームオイルのための円卓会議)に出席。

2016年

  • RT7、GA6(第6回持続可能なパームオイルのための円卓会議)に出席。
  • 地球・人間環境フォーラムの第2回持続可能なパーム油のためのシンポジウム共催。

2017年

  • GreenPalmからRSPO Creditsに移行。
  • サバ州の小規模農家(スモールホルダー)を優先してCredits購入するプログラムを開始。
  • JaSPOC(日本の持続可能なパーム油のあり方を考える会議)に出席。実行委員としても参画。
  • バリ島の自然災害により、GA14(持続可能なパームオイルのための円卓会議第14回総会)に電子投票で参加。
  • RSPO Creditsを購入しているサバ州の小農を視察するWild Asia Tourに参加。

2018年

  • RT16、GA15(第15回持続可能なパームオイルのための円卓会議)に出席。
  • JasPOC(持続可能なパーム油会議2018)に出席。実行委員としても参画。
  • パーム油の調達に先進的な取り組みをしたことが評価され、WWFよりSustainable Palm Oil Best Practice Award 2018スマトラサイ賞を受賞。

2019年

  • RT17、GA16(第16回持続可能なパームオイルのための円卓会議)に出席。
  • 国内販売製品において、RSPO認証を100%取得。
  • 持続可能なパーム油のための日本プラットフォーム「JaSPON」理事企業として加盟。