CSR

RSPO認証

RSPO(Roundtable on Sustainable Palm Oil)とは

環境への影響に配慮した持続可能なパーム油を求める世界的な声の高まりに応え、世界自然保護基金(WWF)を含む関係団体が中心となり2004年に「持続可能なパーム油のための円卓会議」が設立されました。その英名"Roundtable on Sustainable Palm Oil"の頭文字をとって「RSPO」と呼ばれます。

RSPOは、環境・社会に配慮したパーム油の生産を推進する国際的な非営利組織であり、パーム油産業をめぐる7つのセクターの関係者(パーム油生産業、搾油・貿易業、消費者製品製造業、小売業、銀行・投資会社、環境NGO、社会・開発系NGO)の協力のもとで運営されています。その目的は世界的に信頼される認証基準の策定とステークホルダー(利害関係者)の参加を通じ、持続可能なパーム油の生産と利用を促進することにあります。

RSPO認証とは

RSPOのもっとも重要なミッションのひとつは環境や社会に配慮して生産されたパーム油に与える認証制度の確立です。その判断基準となる「原則と基準」(Principle & Criteria)が最終的に策定されたのは2007年のことでした。
2013年現在では、8項目の原則と、原則のそれぞれがより具体的な43の基準によって説明されています。この「原則と基準」はアブラヤシ産業が社会や環境に与える影響を考えられる限りカバーしています。
生態系や生物多様性に関する責任や保全の義務、労働者・小規模農園との公平な関係を求めるなど、一つ一つの項目がしっかり遵守されれば現在の多くの問題が解消され、持続可能なパーム油の生産と利用が期待できます。

RSPO原則

  1. 透明性へのコミットメント
  2. 適用法令と規制の遵守
  3. 長期的な、経済的・財務的な実行可能性へのコミットメント
  4. 栽培者及び製造・加工業者によるベスト・プラクティスの活用
  5. 環境に関する責任と資源及び生物多様性の保全
  6. 栽培者及び製造・加工工場によって影響を受ける従業員及び個人やコミュニティに関する責任ある配慮
  7. 新規プランテーションの責任ある開発
  8. 主要な活動分野における継続的な改善へのコミットメント

生産されたパーム油はそのままの形で消費者の手に届くことはほとんどありません。中間でいくつもの過程を経て、加工品としてまったく異なった姿になっていることが普通です。
そのため、パーム油の認証はアブラヤシの生産過程だけでは不十分で、その流通過程に関しても導入しなくてはなりません。消費者が認証製品を手にするには、搾油工場、加工業者、消費財メーカーなど流通過程を監視するシステム、サプライチェーン・サーティフィケート・システム(SCCS)が必要です。

RSPOはSCCSを2009年11月に確立しました。現在は以下の4つの方式があります。

RSPOの認証油マークについて

RSPOでは管理方式の違いによって次の4通りの方式があり、ラベル表示を定めています。

1)アイデンティティ・プリザーブド(IP):分離方式

認証パーム油やパーム油関連製品について、その原料は認証を受けた単一の生産農園から供給された認証パーム油のみを使用し、搾油工場から最終製品に至るまで非認証のパーム油の供給や流通から完全に切り離されている場合に与えられます。RSPO認証油トレードマークを表示できます。

2)セグリゲーション(SG):分離方式

認証パーム油やパーム油関連製品について、その原料は認証を受けた複数の生産農園から供給された認証パーム油のみを使用し、搾油工場から最終製品に至るまで非認証のパーム油の供給や流通から完全に切り離されている場合に与えられます。IPと同じく、RSPO認証油トレードマークを表示できます。

3)マス・バランス(MB):管理混合方式

流通の過程全体を通して認証油の取引量を監視する方法で、途中で他の非認証油と混合されてもその比率は最終利用段階まで厳密に記録されます。認証油の量を管理できていれば、一般の流通と分ける必要はなく、流通過程で非認証原料が混合しても構いません。RSPO認証油トレードマークは"MIXED"とつければ使用できます。

4)ブックアンドクレーム(B&C):台帳方式

生産者が認証パーム油の生産量に基づいて証書を発行し、それを取引する方法です。2016年まではインターネット上での取引システムが民間企業に委託されていましたが、2017年1月よりRSPO認証制度直轄の運用に変更され、2018年頃まで新旧2種類のマークが市場に流通する見込みです。

GreenPalm <民間企業運営による取引システム>
生産者とパーム油・パーム油関連製品利用者はインターネット上で取引を行い、パーム油・パーム油関連製品利用者はその証書に応じた分量の製品に認証を適用できます。RSPO認証油トレードマークは使えず、グリーンパーム認証マークが表示でき、生産者には相当分の金銭的な還元がなされます。

Credits(RSPO PalmTrace) <RSPO運営による取引システム>
RSPO認証油の物理的取引を追跡するオンラインシステムで、取引における透明性、効率性が高まりました。生産者が認証パーム油の生産量に基づいて証書を発行し、パーム油・パーム油関連製品利用者は会員になるとそれをインターネット上で購入でき、購入したRSPO認証油の生産農園を把握することが可能です。原料がRSPO認証の搾油工場を出るまではIPやSGと変わりませんが、そこからの運搬・製品製造・保管・出荷など流通に関わる全工程がRSPO認証されていないとIPやSGと区別されるため、表示はRSPO認証油トレードマークCREDITSを使用します。

※本来であればすべて分離方式で行なわれるのが望ましいところです。しかしそのためには流通の段階において新たな設備投資や管理システムなどが必要となり、それらのコストが採用の障害となる場合があります。管理混合及び台帳方式はそのような現実の流通の実態を考慮したものです。

サラヤでは

RSPO最初の円卓会議(Round Table)は2003年に行われました。2004年には国際的なNGOとして正式な登録を受け、第2回の円卓会議(RT2)が開催されました。サラヤは日本に籍を置く企業として初めて2005年1月にRSPOに加盟し、円卓会議にはRT3から参加しました。そして、2010年には日本初となるRSPO認証パーム油を原料として使用した商品の販売を開始しました。

2011年11月にマレーシアで行われた第9回円卓会議(RT9)において、サラヤは遅くとも2015年までに商品に使用しているパーム油/パーム核油(誘導体原料含む)を100%RSPO認証(セグリゲーションとブックアンドクレームの方法)に適合させることを宣言し、コンシューマー商品製造部門で最高ランク(9 Point)に位置づけられました。

RT9の後、速やかに利用するパーム油/パーム核油(誘導体原料含む)の全量を集計し、2012年4月より購入した対象原料の量に応じたブックアンドクレーム方式クレジットを追加購入致しました。社内での運用を検証し、2015年を待たずして2012年4月より自社生産で使用しているパーム油/パーム核油が100%RSPO認証原料になりました。

その後、RSPO認証制度の進展を観察してきましたが、2015年現在RSPO認証パーム油(CSPO:Certified Sustainable Palm Oil)は安定した価格で出荷され、出荷量も増えているものの、化粧品・石けん洗剤の原料に使用されることの多いRSPO認証パーム核油(CSPKO: Certified Sustainable Palm Kernel Oil)の認証体制は未だに確立されておらず全く出荷されていません。

現在、パーム核油の原料となる「種=Karnel」までは認証体制が出来ていますが、搾油工程は未整備という現状があります。そしてRSPO認証パーム核油(CSPKO)が入手困難なため、その代替認証であるブックアンドクレーム方式クレジットの相場は高騰し、2014年時点では2012年比で約10倍にもなる異常な価格で取引されています。

そのためサラヤはブックアンドクレーム方式クレジットの購入方針を見直し、2014年から消費者コミュニケーションが可能なコンシューマー商品を選定してブックアンドクレーム方式クレジットを付与し、消費者啓発を優先する政策を打ち出しています。同時に2020年目標として台帳方式(B&C)の購入をゼロにし、全ての自社製品に分離方式(IP・SG)のRSPO認証油を使用していく方針を策定しています。