１月２０日（金）に発生いたしました弊社大阪工場での中性洗剤漏洩事故について第３報のご報告をさせていただきます。

１月２４日（火）の第２報では、事故発生の経緯並びにその後の緊急処置対応に関してご報告申し上げました。２２日には、漏洩いたしました中性洗剤の地区排水路での回収作業も終了し、この地区排水路および大和川の水質も平常に回復し、維持されております。２３日（月）には関係官庁に対し、事態収拾のご報告並びに今回の事故原因と再発防止対策と関連する安全対策に関してもご報告申し上げました。報告内容に関しましてはご理解をいただきましたが所管各監督官庁からは、弊社報告に基づき各々の視点からのご示唆をいただきました。それを参考にさせていただき、再度報告内容を検討の上、最終のご報告の準備を進めております。また、事故直後の騒動でご説明の不足しておりました近隣地区関係各位の皆様方にも改めて事態のご説明とお詫びを申し上げました。

この事故につきましてご関係各位や一般の皆様方より様々なご意見やご叱責をいただきました。それらのご意見に対しましては、一つ一つお答えさせていただきました。その中で、懸念されている点等につきまして、以下に更に補足説明をさせていただきます。

まず環境への影響につきましては、「生分解性データ」でご説明申し上げます。漏洩いたしました中性洗剤は、弊社が"ヤシノミ洗剤"と言う商品名称で約４０年前から一般家庭用に販売している家庭用食器洗剤です。この洗剤は、元々が植物系のヤシ油を原料にして作られた洗浄成分を用いた洗剤であるため、天然石鹸と同等の生物分解性を示すことを公定の分解性試験で確認しております。環境中に排出されました際、速やかに環境中に存在する各種微生物で最終的に炭酸ガスと水に分解されます。その比較実験のデータを「添付資料－１」にお示しいたします。このデータでは、ヤシノミ洗剤は、天然石鹸以上の生分解性を示し約２週間で７０％強が完全分解をしております。

次に、現場での観測調査につきましてご説明申し上げます。漏洩液は弊社排水口から大和川片山樋門まで約1ｋｍ続く地区排水路に多く滞留しており、各社の排水と混入した漏洩液をバキューム車を使用して、１７０トンの回収を行いました。逐次漏洩ヤシノミ洗剤濃度の分析を行いながら作業を進めてまいりましたが、事故後３日目（２２日（日））までには漏洩した中性洗剤濃度は検出限界以下となり平常に回復いたしました。「添付資料―２」。また、大和川本流での、今回事故による影響に関しましては、所管官庁の国土交通省　近畿地方整備局　大和川河川事務所の方で、継続監視いただき、大和川の水質監視データが発表されております。そのデータによりましても事故直後２０日（金）は、若干高いＣＯＤを示しましたが翌日２１日（土）には、その値は平常値に近い値まで回復いたしております。

更に弊社も独自に、大和川河川事務所が監視しておられない「大和川河口」域の水質検査を弊社が上流で中性洗剤の漏洩事故を起こしました当日の夕方から、実施させていただきました。その結果を「添付資料―３」にお示しいたします。その結果によりますと、分析いたしました全てのサンプルにおきまして、ＰＨ、ＣＯＤは過去に調査されております値と比較してその測定範囲内であり、異常値は検出されておりません。また洗剤の原料であります陰イオン界面活性剤、及び非イオン界面活性剤は、いずれも検出限界以下かその付近の値であり（最大でも０．０１ｐｐｍ）漏洩いたしました洗剤の影響は認められませんでした。

これらを総合的に判断すれば、漏出した洗剤は多量の水に希釈されたと想像され、ほとんど環境に影響がない状態であると思われます。

最後に、事故原因とその対策でありますが、直接原因は漏洩にいたりましたタンクから製品に仕上げる充填ラインまでの送液配管の「継ぎ手」部分の一箇所の接合方法に問題があり、長期間の使用により「継ぎ手」にゆるみが生じ液漏洩にいたりました。この「継ぎ手」はただちに接合方法の改善をはかり、さらに強度の高い「継ぎ手」方法で工事をやり直しました。また、工場内の全ての他の配管の「継ぎ手」部分をチェックいたしましたが、問題のある「継ぎ手」はありませんでした。この事故は工事実施後の検証が不十分であったことが原因であり、管理方法にも誤りがありましたので、この点を早速改め、工事手順の改定を実行いたします。その他にもこの事態を引き起こしました様々な間接的な要因がありますがそれらに関しましても、全ての要因を洗い出し、二度とこのようなことを起こさないように根本的な安全対策を実施しております。

関係各位の皆様方には、多大のご迷惑をおかけいたしましたこと深くお詫び申し上げますと共に、この事故を真摯に受け止め、今後このような事態を二度と引き起こすことのないよう更に一層の精進をいたし、再発防止につとめてまいります。皆様には、どうか引き続きご指導ご鞭撻をいただきますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

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