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ニュースリリース

この度の感染性胃腸炎に罹患された方々には謹んでお見舞い申し上げますとともに、一日も早いご快復を心よりお祈り申し上げます。
昨今、一部報道の中でノロウイルスをはじめとする感染性胃腸炎の原因ウイルスに対しては、アルコール消毒剤の効果が不十分であるとの紹介がされています。

ノロウイルスは、一般的なアルコール手指消毒剤が効きにくい、ノンエンベロープウイルスに分類され、食中毒だけでなく、医療機関、高齢者施設、学校などにおいて食品を介さずに感染が広がる集団胃腸炎の原因となってきました。サラヤでは、この社会問題を解決すべく、有効なアルコール製剤の研究開発に取り組み、高濃度エタノールのpHを酸性に変化させることで短時間で高い効果を発揮する技術を見出し1) 、2009年に業界に先駆けてノンエンベロープウイルスにも有効な酸性アルコール手指消毒剤として薬事承認を取得し、2010年に販売を開始しました。

この技術を応用してリン酸を配合した高濃度酸性エタノール手指消毒剤におきましては、ノロウイルス代替ウイルスのみならず、これまで効きにくいとされていたポリオウイルスなどの、幅広いウイルスに対しても高い効果を発揮することが報告されています2-4)



<ノロウイルス対策としてのアルコール手指消毒剤の活用>


上記のようなエビデンスが整ってきたこともあり、ノロウイルス対策にはアルコール製剤が有効として、厚生労働省が発行する「大量調理施設衛生管理マニュアル」の2016年7月1日の改正5)により、ウイルスに有効なエタノール製剤の使用に関する留意点が追加され、“エタノール系消毒剤には、ノロウイルスに対する不活化効果を期待できるものがある。使用する場合、濃度・方法等、製品の指示を守って使用すること。”と明記されました。
 
ノロウイルスなどの感染性胃腸炎の原因ウイルス対策には、明確なエビデンスのあるアルコール手指消毒剤をご使用ください。なお、新型コロナウイルスの対策としてもアルコールの手指消毒は有効です。エンテロウイルス(手足口病の原因のひとつ)などの一部の強耐性ウイルスに関しては、石けんを使った正しい手洗いが有効とされます。手足口病の流行期における保育園・幼稚園などでは、石けんを使った正しい手洗いを行い、さらに手指消毒を行うことをおすすめします。


出典


1) 隈下祐一 他 防菌防黴, 35(11), p.479-491, 2007
2) 松村玲子 他 防菌防黴, 41(8), p.421-425, 2013
3) 山崎謙治 他 医学と薬学, 71(1), p.117-125, 2014
4) 五十君静信 他 平成27年度ノロウイルスの不活化条件に関する調査報告書, 2016
5) 厚生労働省:大量調理施設衛生管理マニュアル(最終改正:平成29年6月16日付け生食発0616第1号)


【注意】ノロウイルス感染リスクの疑いがある嘔吐物、排泄物などには、使用用途を守り次亜塩素酸ナトリウムを使用し、適切な処理を行ってください。
プロサラヤ「食品取扱者のためのノロウイルス対策」
サラヤ 福祉ナビ「病原体別感染対策 ノロウイルス


※各ニュースリリースの情報は発表当時のもので、現状と異なっているものもあります。